ハウスクリーニング・室内清掃
- 負担区分
- 特約の内容と成立の過程次第
- 耐用年数
- 経過年数を考慮しない取扱い
- 確認すること
- 清掃費の特約について、契約時に金額を含めて説明を受け明確に合意した記録があるか
掃除代は、ふつうに掃除をして出ていくなら原則として大家さん側の負担です。ただし契約書に「退去時のクリーニング代は借主が払う」と書いてある(特約)ことが多く、この特約が本当に効くのかが争点になります。書いてあるだけでは足りない、というのが大事な点です。
相場の目安
- ワンルーム・1K:1.5〜2.5万円
- 1LDK:2.7〜4万円
- 2LDK:4〜6万円
- 3LDK以上:5.5〜8万円
- ㎡単価で示される場合:1㎡あたり 950円前後から
公開されている単価表・料金表から集めた範囲の目安です。地域・業者・時期によって異なります。金額が目安から離れている場合、それだけで不当と判断できるものではありませんが、内訳の説明を求める手がかりになります。
原則は貸主負担
国土交通省のガイドラインでは、借主が通常の清掃(ゴミの撤去、ほうき・掃除機かけ、拭き掃除など)を行っていれば、専門業者による室内クリーニングの費用は貸主負担とする整理が示されています。次の入居者を迎えるための準備は、貸主が家賃を得るために必要な費用という考え方です。
逆に、ゴミを残して出た、油汚れやカビを放置したなど、通常の清掃を怠った場合は借主負担と判断されやすくなります。
特約が有効とされるための3つの条件
実務では、契約書に「退去時のハウスクリーニング費用は借主負担」という特約が入っていることが多くあります。この特約が有効かどうかについて、判例では次の3点が問われる考え方が示されています。
①その負担を借主にさせる必要性があり、金額が合理的であること。②借主がその内容(金額を含む)を具体的に認識していたこと。③借主が明確に負担の意思を示して合意したこと。
つまり、契約書のどこかに小さく書いてあるだけ、金額が「実費」としか書かれていない、説明を受けた記憶がない、といった場合は、この3点を満たしているかを確認する余地があります。
確認するときは、特約の存在ではなく「成立の過程」を聞くのが要点です。どの書面で金額を提示され、どこで合意したことになっているのかを尋ねる形にします。
消費者契約法との関係
賃貸借契約は、多くの場合は事業者と消費者の契約にあたります。消費者契約法10条は、消費者の義務を法律の原則より重くする条項で、信義に反して一方的に不利益なものを無効とする規定を置いています。金額が相場から大きく離れている場合などに、この観点から確認する余地があります。
この判断は個別の事情によります。金額に納得できない場合は、消費者ホットライン188から最寄りの消費生活センターに相談してください。
管理会社に確認すべきこと
電話ではなくメールか書面で尋ねてください。記録が残る形にしておくことが後で効きます。
- 契約書の特約に、金額(または算定方法)が書かれているか
- 契約時にその金額の説明を受けた記録があるか(重要事項説明書・メール等)
- 金額が間取りに対して相場の範囲か
- 自分で通常の清掃をして退去したか(写真が残っているとよい)
- 「実費」表記の場合、実際の業者見積書が提示されているか
請求書の項目を貼ると、この項目を含めて負担区分と減価償却の目安を整理し、確認事項を盛り込んだ返信文を3つのトーンで作ります。
登録なし・無料です。入力した内容はお使いの端末の中だけで処理され、当サイトに送信されません。
よくある質問
契約書にクリーニング代の特約が書いてあります。払うしかないですか。
特約が書かれていることと、それが有効に成立していることは別に判断されます。①必要性と金額の合理性 ②借主が金額を含めて具体的に認識していたこと ③明確に合意したこと、の3点について、契約時の説明の経緯を確認する余地があります。
自分で掃除して出たのに、クリーニング代を請求されました。
通常の清掃を行っていれば原則として貸主負担とする整理がガイドラインに示されています。清掃を行ったことを示す退去時の写真があれば、それを添えて借主負担とする根拠を確認できます。
金額が「実費」となっていて、いくらか分かりません。
実際に施工した業者の見積書または請求書の写しを求めてください。金額の合理性は、その内訳がないと確認できません。
当サイトは公表されている資料をもとに確認すべき点を整理するものです。個別の事案について支払義務の有無を判断すること、ご本人の代わりに交渉することは行いません。判断に迷う場合、相手が法的手段に言及した場合は、消費者ホットライン188 から最寄りの消費生活センターにご相談ください。相談は無料です。