ペットによる傷・汚れ・臭い
- 負担区分
- 故意・過失が原因なら借主負担
- 耐用年数
- 経過年数を考慮しない取扱い
- 確認すること
- ペットに起因すると判断した箇所の内訳(部位ごと)と、部位ごとの経過年数の反映
犬や猫を飼っていた場合、爪のあとや臭い、粗相のしみの費用を求められることがあります。ペット可の物件でも同じです。この項目は「まとめて一式」で請求されがちなので、どこを直すのかを部位ごとに分けることが、いちばん効く確認の仕方になります。
相場の目安
- クロス張替え:1㎡あたり 850〜1,300円(量産品)
- クッションフロア張替え:1㎡あたり 2,500〜3,500円前後
- フローリングの部分補修(リペア):1箇所 1.5万〜3万円前後
- ⚠️ 消臭施工は、原状回復業者6社の公開料金表のいずれにも載っていない。金額の目安より「標準の料金表に無い項目である」ことのほうが確認の手がかりになる
公開されている単価表・料金表から集めた範囲の目安です。地域・業者・時期によって異なります。金額が目安から離れている場合、それだけで不当と判断できるものではありませんが、内訳の説明を求める手がかりになります。
ペット可でも、傷や臭いは別の話
「ペット可の物件だから、傷がついても構わないはず」と考えたくなりますが、ペット可とは飼うことを認めているという意味であって、傷や臭いの費用まで貸主が引き受けるという意味ではありません。ガイドラインも、ペットによる柱等のキズや臭いを、通常の使用による損耗とは別に扱う例として挙げています。
そのため、この項目も負担そのものより、範囲と金額の内訳を確かめるほうが実のある進め方になります。
部位ごとに分けると、扱いが変わる
ペットの費用は「ペット消臭・原状回復一式」のようにまとめて書かれがちですが、直す対象は部位ごとに扱いが違います。
クロスは耐用年数6年で、住んだ年数の分だけ価値が下がったものとして計算します。クッションフロアも同じく6年です。一方でフローリングや建具は、部分的な補修であれば経過年数を考慮しない取扱いになるのが一般的です。
つまり「一式」のままだと、本来なら年数で下がるはずの部分まで新品の値段で計算されている可能性が残ります。部位ごとの内訳を求める価値はここにあります。
ペット飼育の特約・敷金の上乗せがある場合
ペット可の物件では、契約時に敷金を1か月分多く預けたり、「退去時にクロスを全面張替えする」といった特約が結ばれていることがあります。
この場合、上乗せして預けた敷金が何をまかなうものだったのかを確認する余地があります。同じ内容について、敷金の上乗せと退去時の請求の両方で負担している形になっていないか、契約書と精算書を並べて見る価値があります。
特約に基づく請求では、①必要性と金額の合理性 ②借主が金額を含めて認識していたこと ③明確に合意したこと、の3点が確認の観点になります。
写真で残っているかが分かれ目になる
爪あとや粗相のしみは、入居時からあったものか、飼っていた期間についたものかの区別がつきにくい部分です。入居時に撮った写真があれば、その比較が最も強い確認材料になります。
手元に無い場合でも、管理会社側が入居時の状態をどう記録していたのかを尋ねる余地はあります。
管理会社に確認すべきこと
電話ではなくメールか書面で尋ねてください。記録が残る形にしておくことが後で効きます。
- 「一式」ではなく、部位ごと(クロス・床・建具)の内訳が示されているか
- クロス・クッションフロアの分に経過年数に応じた減価償却が反映されているか
- ペットに起因すると判断した箇所の根拠(写真等)があるか
- 入居時からあった傷と区別されているか
- ペット飼育で上乗せした敷金があるか、それが何をまかなうものだったか
- 契約書にペット関連の特約があるか、金額まで書かれているか
請求書の項目を貼ると、この項目を含めて負担区分と減価償却の目安を整理し、確認事項を盛り込んだ返信文を3つのトーンで作ります。
無料です。ご利用にはメールアドレスでの登録が必要です(パスワードは作りません)。
よくある質問
ペット可の物件でした。それでも爪あとの費用は負担になりますか。
ペット可は飼育を認める趣旨であり、傷や臭いの費用の扱いは別に整理されます。負担の有無より、部位ごとの内訳と経過年数の反映を確認するほうが実際的です。
「ペット消臭・原状回復一式 15万円」とだけ書かれています。
何をどの範囲で行うのか、部位ごとの内訳と単価の提示を求める余地があります。部位によって経過年数の扱いが変わるため、分けて示されることに意味があります。
ペット用に敷金を1か月分多く預けています。
その上乗せ分が何をまかなうものだったのかを確認する余地があります。同じ内容を二重に負担する形になっていないか、契約書と精算書を並べて確認してください。
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