クロス・壁紙の張替え
- 負担区分
- 故意・過失が原因なら借主負担
- 耐用年数
- 6年(住んだ年数に応じて負担が小さくなる)
- 確認すること
- クロスの張替費用に、経過年数に応じた減価償却(残存価値1円まで)が反映されているか
壁紙は「6年住んだら価値がほぼゼロになる」という決まりで計算します。つまり長く住んだ人ほど、張替え代の負担は小さくなるのが原則です。請求書にこの計算が入っているかどうかが、いちばん大きな分かれ目になります。
相場の目安
- クロス張替え:1㎡あたり 850〜1,300円(量産品)
- 6帖の部屋の壁:おおむね30〜35㎡が目安
- 6帖1室の全面張替え:おおむね2.6万〜4.6万円
- 見積書が「m単価」のとき:クロス幅は約0.9mなので、㎡単価とそのまま比べられない
公開されている単価表・料金表から集めた範囲の目安です。地域・業者・時期によって異なります。金額が目安から離れている場合、それだけで不当と判断できるものではありませんが、内訳の説明を求める手がかりになります。
6年で「1円」になる、という考え方
国土交通省のガイドラインでは、クロス(壁紙)の耐用年数を6年としています。これは「6年住めば壁紙の価値は1円まで下がったものとして扱う」という考え方です。減価償却(げんかしょうきゃく)と呼びます。買った車が年々値下がりしていくのと同じ発想です。
そのため、借主が負担するのは「まだ残っている価値の分だけ」という整理になります。入居から6年以上たっている場合、クロスの張替え代そのものを全額請求されている形になっていないか、確認する余地があります。
ただし、これは「1円しか払わなくてよい」という意味ではありません。ガイドラインは、故意・過失で壁紙を傷めた場合の張替え作業に必要な手間の分(施工費)については、別に考える整理をしています。争点になるのは主に材料の価値の部分です。
入居年数ごとの残存割合の目安
耐用年数6年を直線で割ると、1年あたりおおよそ16.7%ずつ価値が下がっていく計算になります。目安は次のとおりです。
1年:約83% / 2年:約67% / 3年:約50% / 4年:約33% / 5年:約17% / 6年以上:ほぼ0%(残存1円)
たとえば3年住んだ人にクロス代3万円が請求されている場合、残存割合50%の考え方を当てると1.5万円前後が目安になります。この差が説明されていないときは、計算の内訳を求める余地があります。
「1部屋だけ汚した」のに全室分を請求されたとき
ガイドラインは、原状回復の範囲を原則として「汚損・破損があった部分」に限る考え方を示しています。色を合わせるために隣の面まで張り替える場合、その必要性の説明が求められる場面です。
全室分・全面分の金額になっている場合は、どの面が借主起因で、どの面が色合わせのための追加なのか、内訳を分けて示してもらう余地があります。
タバコのヤニ・においの場合
喫煙によるヤニの付着やにおいは、通常の使い方の範囲を超えるものとして借主負担と判断されやすい項目です。ここは正面から争いにくい部分です。
ただし、喫煙が借主負担の理由になることと、減価償却が適用されることは別の話です。喫煙が原因であっても、耐用年数6年に対する経過年数の考慮は同じように行われるのが原則です。両方あわせて確認するのが現実的です。
管理会社に確認すべきこと
電話ではなくメールか書面で尋ねてください。記録が残る形にしておくことが後で効きます。
- 経過年数に応じた減価償却が計算に入っているか(内訳を書面で)
- ㎡数(数量)と1㎡あたりの単価が明細に書かれているか
- 借主起因の面と、色合わせのための面が分けて算定されているか
- 入居時の状態を示す写真や、入居時のチェックシートが手元にあるか
請求書の項目を貼ると、この項目を含めて負担区分と減価償却の目安を整理し、確認事項を盛り込んだ返信文を3つのトーンで作ります。
登録なし・無料です。入力した内容はお使いの端末の中だけで処理され、当サイトに送信されません。
よくある質問
6年以上住んでいたら、クロス代は払わなくてよいのですか。
ガイドラインでは6年で残存価値1円まで償却される取扱いとされています。ただし施工に必要な費用の扱いは別に整理されているため、「一切支払わない」と決まるものではありません。まずは減価償却が反映された内訳を示してもらい、そのうえで判断するのが現実的です。
画鋲やピンの穴は、クロスの張替え代になりますか。
画鋲・ピン程度の穴は通常の使い方に伴うものとして貸主負担と整理されることが一般的です。下地のボードまで補修が必要な釘穴・ネジ穴とは分けて算定されているか、確認する余地があります。
内訳をくれと言っても出してもらえません。
項目ごとの数量と単価が分かる明細、施工業者の見積書の写しを、書面またはメールで求めた記録を残してください。応じてもらえない場合は、消費者ホットライン188から最寄りの消費生活センターに相談できます。
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